「一律学費半額を求めるアクション」について思うこと
5月19日、報道ステーションにて放送された内容により、「一律学費半額を求めるアクション」が話題となりました。
この活動をしている団体の代表の記者会見が、悪意とも取られるまとめ方をされ、物議を醸しています。
また、現在のTwitter上では、会見における発言の一部「10万円 20万円もらったところで 何になるんだと」について様々なコメントが投稿されています。
この件について、私が率直に思ったことを書いてみようと思います。
学費の一律半額を求める理由
このアクションの理由としては、以下のように挙げられています。
ほとんどの大学・専門学校の経済的・人的余力が残されていない現状において、学校独自の学費減額を行うことは困難であり、実際に減免ができないという趣旨の声明が出されているからです。このまま各大学の裁量に任せていると、経済的・人的余力がある学校とそうでない学校間での格差が拡大することになります。また、学校を通した申請方式では、支援を受けられるかどうかが学校の人的余力・情報力に依存するため、支援を必要とする学生に支援が行き届きません。故に国の財政によって一律学費半額を行う必要があります。
https://twitter.com/gakuhihangaku/status/1263025922606723076より一部抜粋
確かに、学校間での支援の格差は感じることがあります。
「友人の大学では給付金があるのに...」なんて思っていました。
疑問点
このアクションは、「全学生に対する、一律学費半額のための予算措置」を国に求めているようです。
これに対して、私は疑問が浮かびました。
なぜ半額なのか。全学生に対して必要なのか。
ということです。
現在の状況
ここからは私の現在の状況を踏まえた意見です。
Twitterのリアクションでは、多くが「10万円 20万円を軽くみるな」という内容のものでしたが、これがメディアの切り取りで生じた齟齬であることは明言されています。
では、なぜ20万円では足りず、学費半額が必要なのでしょうか。
私を例に挙げると、学費の半分とは、おおよそ80万円/年です。
4月から緊急事態宣言が発令され、アルバイトができなくなったとしても、まだ2ヶ月も経っていません。
この期間で学生個人に80万円の損害があったとはあまり考えられません。
大学の講義
大学の講義では、ほとんどがオンラインによるものとなり、満足のいく講義とはなっていません。
これにより通常の学費を請求するのは不当だ、というのは考えられることでしょう。
しかしそれならば、学校間の格差がなくなるよう学校に向けて政府が支援することが妥当だと思います。
いつまで続くかわからないこの状況では、全学生に学費半額の措置をとるより、学校の体制を整えることが先決ではないでしょうか。
メディアによる偏見
メディアは編集の仕方によって私たちに様々な偏見を誘ってきます。
今回もまた、そのような問題によって様々な意見が挙げられていて、「この取り上げ方はひどい」だとか、「悪意を感じる」と言われています。
しかしこのようなことは割とよくあることで、私たちのメディアリテラシーが如何に大切であるかがわかります。
切り取って欲しくない発言はしない方と言えばそうとも言えます。
何が言いたいかというと
ここまで勝手な意見を書いてきましたが、こうした支援を求めている学生が、自身の夢を追ってどれだけの苦労をしているのか、正直わかりかねます。
しかし、この状況によって、学生だけではなくみんなが苦労していることだと思います。
私としても学費が半額になれば嬉しい限りですが、それは十分であり必要ではありません。
本当に困っている学生に支援が届けばいいと思っています。
ただ困っているだけではなく、「コロナ禍でなければ可能だった生活」を補填するのが支援の本質です。それ以上を求めることはできません。
じゃあその生活はどうやって証明するのか?という意見がありそうですが、証明とまで言わずとも根拠くらいは挙げるべきです。
私が見た限り、なぜ全学生に、なぜ半額なのかということが明記されていないように思えました。
そこをはっきりと示すことで、政府や学校側も納得する意見となるのではないか、と思います。